相続財産調査とは、亡くなった人の預貯金や不動産といったプラスの財産のほか、借金などマイナスの財産を調査して、財産額を確定させることです。 相続財産調査をおこなわないと、相続をおこなった後に借金があることが発覚して、「相続放棄をすれば良かった」と後悔するかもしれません。 遺産分割においても、遺産分割協議後に新たな財産が見つかると、相続人同士でトラブルに発展する可能性が高いため、相続が発生したときはまず相続財産調査をおこなうことが重要です。

自分で相続財産調査をする場合は、キャッシュカードなどから故人が利用していた金融機関を調べて、すべての金融機関の預貯金を確認しましょう。 不動産の有無が不明な場合は、「固定資産税課税明細書」の内容を確認したり、「固定資産評価証明書」を市区町村役場の窓口で請求したりすると、財産の有無が分かります。 借金の調査漏れが起こると、相続後に支払いをする必要が生じるため、信用情報機関に情報開示請求をするなどの方法で徹底的に調査しましょう。

先述した方法を用いると、相続財産調査を自分ですることも可能ですが、調査漏れにより把握できていない財産が残る可能性を捨てきれません。 また、相続財産調査には時間と手間がかかりやすく、葬儀の手配や役所の手続きなどと相続財産調査を並行するのは困難です。 さらに、相続放棄ができる期限は、相続があることを知ってから3か月以内となるため、相続から2ヶ月以内には相続財産を把握する必要があります。 これらの理由により、相続財産調査は専門家に依頼することをおすすめします。