隠し子と聞くと、不倫相手との子どもをイメージしますが、法律上で「隠し子」といった言葉は使用しません。 隠し子は法律で「婚外子」あるいは「非嫡出子」と呼ばれており、婚姻関係のない男女から生まれた子どもを指しています。 つまり、不倫などとは関係なく、法律上の婚姻関係がなければ、婚外子または非嫡出子として扱われてしまうのです。 父親が亡くなり、残された相続人が遺産を相続するためには、まず父親の戸籍謄本を取得する必要があります。 その結果、父親に隠し子がいたといった事実が発覚する恐れもあり、そのようなケースでは生前に対策を取っていないことがほとんどです。 そのため、遺産分割協議をめぐって、多くのトラブルが発生してしまう可能性があります。

亡くなった父親に認知がある場合は、隠し子にも相続権があります。 生前に認知している場合は戸籍に認知の事実が記載されますが、遺言書によって認知の事実が認められた場合は、遺言執行者が職務を開始してから10日以内に届出が必要です。 遺産分割協議では、隠し子を含めた法定相続人全員で話し合いを進めるのが原則となっています。 遺言書がないときは、法定相続分を参考にして、財産の配分を決定するのが一般的です。

不動産相続では隠し子を無視できないため、その事実を知らないと相続人同士で揉める可能性があります。 トラブルを未然に防ぐには、司法書士や弁護士など、法律に精通する専門家に相談することが大切です。 また多くのケースで、相続後には相続税が発生します。 税金について不安がある方は、税理士への相談もおすすめです。 費用はかかりますが、相続税申告など手続きの手間を軽減できます。